初めに
私達の室内空気環境はますます悪化の一途をたどり、不健康な方向にむかっています。
その原因として、地球の温暖化と建物の構造にあると考えられます。そして現在、日本の建物に多く使われて
います内装仕上げ材の一部が、壁内結露と家カビ発生の要因となっています、その様な環境下で長期に渡り
家カビを体内に取り込んでしまった場合、呼吸器喘息、皮膚アレルギー、蓄膿症、肺炎等日常生活に支障を
きたす危険性があります。
この様な家カビ菌による被害は子供さんの学力の低下、そして成人の労働力の低下は日本の経済、国益にかか
わる深刻な問題と捉えています。
必要性
家カビ菌の原因となる多くは、建物の北側の内壁部や、特にコンクリート造り(マンション、アパート)の建物等、そして、調湿しにくい内装仕上げ材で施工された物件は結露しやすく、壁内がカビ菌の温床となっている場合が多く、この様な環境下においてカビの胞子を吸い日々暮らしていますと、気管支喘息、アレルギー性鼻炎、蓄膿症、結膜炎、肺炎、肺ガン等の原因となるやっかいな菌であることを認識して下さい。
カビの害
空気中に浮遊するカビの胞子を吸い込むことによって、気管支喘息、アレルギー性鼻炎、蓄膿症、結膜炎、肺炎等が引き起こされます。また、夏季には夏型過敏性肺炎を引き起こす原因といわれています。夏型過敏性肺炎を起こすと、発熱、咳、息切れなどの症状が出てきます。(風邪と間違えやすい。)他にも皮膚炎、シックハウス症候群などをあわせて引き起こす、やっかいな菌であることを認識してください。
「カビ」とは
一般的にカビとは、糸状の菌糸先端から栄養や水分を吸収しながら伸びる真菌と呼ばれる微生物の一群です。酵母やキノコも含まれます。カビの種類は、8万種以上がありますが、その中には有益なカビや有害なカビがあります。目に見えてカビの発生に気づくのは、この菌糸が伸びて菌糸体となった時です(真菌の集落コロニー)。
汚いものを指す言葉に「バイキン」があります。「バイキン」は「黴菌」と漢字で書きますが、その「黴」は「カビ」のことです。人間にとって有害な「カビ」や「菌」の総称を「バイキン」といっています。
「カビ」はなぜ生えるのか
カビは温度15〜30℃(20℃超で激しく繁殖)、湿度70〜95%(80%超で激しく繁殖)で酸素や栄養分がある環境で生育します。
日本では、夏がカビの繁殖時期ですが、最近の住宅は冬でも室温が高いため、結露がしやすくなり、カビの繁殖は冬でも起こるようになってきました。
カビは生育条件が揃うと一気に繁殖し、空気中に胞子が多く漂い始めます。
建物内によく見られる「カビ」
建物内によく見られるカビは、クロカビ、コウジカビ、アオカビ、アカカビ、ススカビなどです。同じ建物内でも場所
や湿度によって生育するカビの種類と数は異なります。
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